滲み出る悲哀

映画史学の著者が、パレスチナボスニアベオグラード)の滞在中の思惟を
綴った名著だと思います。
こういう文章(内容も含むが表現)を書く人は僕は他に一人しか知りません。
文章も好きだけど、内容がいまの僕に取って現在避けて通ることのできないものです。
エルサレムバルカン半島。偶然にも、Rifatの日本人の子が持っていたので借り受けました。
イスラエルの研修生の子とユダヤについて話していて自分の認識の浅さを知り、
帰国したら必ず関連文献を読むぞ、と思っていた矢先に出会った本です。

ある友人が、セルビア(とどのつまりコソボ)は
日本人の弱点を端緒に示す、と言っていたけどまさにその通りでした。
日本人の単一民族国家(ちょっと乱暴な言い方かも)、
ゆえの共通認識の殻を破るのに最適な本かもしれません。