再びフランクフルト

また、セルビアに向かっております。ロンドンで研修してた友達は就職活動を始めたみたい。
僕はまた就職活動をせずに別のことをしようとしているわけなのです。卒業が遠くなって
行くのはちょっと困るけれど、仕方ない。更に半年、もしくは一年セルビアで滞在することに
しました。理由をまだここで書いてなかった気がするのでいちおう書くか。

でもめんどいので、以下あるとこからの抜粋。

ーーーー
久しぶりです。こちらは毎日零下まで冷え込んでとても寒いです。
二度目の雪はなかなか降らないけれど。
チャイニーズマーケットで手袋を100dinarで買いました。
こちらのチャイニーズマーケットは日本の神戸や横浜にあるような、
飲食店街とは全く違って中国の安価な労働力
セルビアもヨーロッパでは最安の労働単価だと思うけれど・・)で作られた
数多くのブランドのパクり品が売っている、衣料品の卸し問屋のような、お世辞にも奇麗な、とは言いがたいところです。現地のセルビア人は、概ねこのマーケットを嫌っています。
ただ、多くのセルビア人がここで安価な衣料を買い求めるのも事実。
旧ユーゴ時代にチトーの政策で、中国からの移民を沢山受け入れた経緯もあって、
セルビアには中国人が多い。
「中国は悪い国だけど、日本はいい国だ」というのが、多くのセルビア人から
聞いた残念な台詞です。かなり狭いものの考え方。
中国人と間違えられて罵声(というほどのものではないけど)を浴びたり
日本人とわかると、握手を求められたり、複雑です。

さて、帰国の日が迫ってきました。あと、一ヶ月。
率直に言うと、法事で一度日本に戻ってからここに、
一年もしくは半年更に滞在したいということです。

IAESTEのセルビアの事務局(ゴランとドラガンという日本でNHKで働いた経験もある、
IAESTEを取り仕切っている2人。ドラガンは丹下健三と面識あったみたい。)から、
学生寮の建設に関してのプロジェクトを働きかけられました。なぜ、僕が必要かというと、
彼らは、土地も政府の認可も確保はできるけれど、実際に建物を建設するための費用はどこからも捻出できないらしい、とのことで
日本の政府機関もしくはなんらかの財団法人からの基金を申し込んで費用を捻出することを考えて、
日本語が使えてある程度賢そうな僕が必要みたいなのです。更にプロジェクトマネジメントに加われるのも興味深いです。彼らに頼まれて、日本大使館へ僕が話を聞きに行くと、
可能性としては考えられる(決して高いわけではないけれど)ということで、
IAESTEの2人とこのプロジェクトについてもう少しつめた話をした結果、
僕がここに更に滞在した場合、プロジェクトを始めることができるようです。


僕がここに更に滞在したいと考える理由が二つあって、

■IAESTEの事務局の2人に協力したい。
セルビアはヨーロッパ最貧国の1つ。文化の程度から見て「ヨーロッパ」というのもちょっと危うい。(別に西欧の文化を賞賛しているわけではなくて、文化を単純比較して。)
むしろ、「バルカン」という呼称が歴史的にも地政学的にもふさわしい気がする。

そういうことはさておき、この国は共産主義の残滓のもと、官僚的な旧いシステムに
居座った年増な人々に牛耳られつつ、西側資本からの搾取も甚だしい。
一言で言うと、「セルビアは最悪だ!こんな国にいても未来はない」と
現地人に言わせしめるけっこう悲惨な国です。

そんな中で、セルビアの将来を担う優秀な若者はどんどん海外へ流れて言ってしまう。
けれど、彼らのうちすべてが海外で成功して満足しているかというとそうでもなくて、
結果として自分の人生に不満を持っている場合が多いらしい。

IAESTEの2人がこういう社会のシステム・優秀な若者の海外への流出の問題に対して、
社会を変えたいと強く考えていて、この手段として、IAESTEの海外インターンシップ
必要だと思っている。

まず、海外へ行ってしまった若者達は、在学中に海外へ行くことが出来ずに
(多くのセルビア人学生にとって海外旅行をすることは金銭的にもビザに関しても難しい)
卒業したら海外に出て一旗揚げてやる、という志のもと出て行った。
そして失敗した者が少なからずいる。
彼らに、在学中に一度だけでもIAESTEの海外インターンシップを通じて他の国を
見せてあげることができれば彼らは他の国の優れている点、
自分の国の劣っている点について現地の学生や他国からの
研修生を通じて考えるだろう、
そしてセルビアに帰ってきてから、自分の国をより良くしていくために
卒業してからもセルビアに残ってくれる若者が増えるだろう。

というのが、2人の考え方なんだけれど、派遣人数を増やすためには、
まず受け入れ人数を増やすことが1対1交換を是とするIAESTEでは必要で
(これは僕が日本でボランティアしてるときに身をもって体験した)
現状としてベオグラード学生寮はパンク気味で更に寮を運営している
政府関係機関がこれまた劣悪で(嘘つき、仕事遅い。責任の擦り付け合い。
これは僕も身を持って体験した。ほんとに腹が立った。)、
IAESTEが独自に管理できる学生寮いわんや国際学生寮が必要。
でもお金はどこからも出てこない。

という結論にいたるみたいです。僕は社会にとって教育が非常に大事であると考えていて、
彼らの社会を良い方向へ一歩でも動かしたいという姿勢に共感するし、
彼らのプロジェクトを助けるために半年もしくは一年間協力したいと考えています。

■日本とは違う環境でもう少し勉強したい。
基本的にセルビアが日本よりも優れているような点を見つけるのは難しいんだけど
(人々が気楽なのはいいことかもしれないけれどきっとそれは悲観の果ての気楽のような
気もしなくはない)、ここでの生活は日本での生活よりも密度が濃く、
日々いろんなことを考えさせられます。
英語も上達したし、セルビア語もちょびっとだけ覚えました。英語とセルビア語を勉強しつつ、
前述のプロジェクトを手伝いたいと思っています。
地政学的に不幸なこの地域は、ある意味世界の縮図であるとも言えるし、
ここに更に滞在することは日本で同じ時間過ごす以上により多くのものを
見ることができると思います。

僕と同い年の友人の何人かは来年で社会人3年目だったり、
春から修士とって大企業に就職というのがごろごろしていて、
自分が多くの学生が乗っていくようなレールから少しづつ外れていっているのを
ひしひしと感じていますが、僕が今年の春に迷ったように、
既存のレールに乗ることを迷いつつ乗って行った学生もいるだろうし、
僕にとってそれは必ずしもベストだとは思いません。
(早い時期に親の依存から離れて独立するのは確かに立派ですが。)
1月に帰国して就職活動して修論書いて社会にでていくというのが
一年遅れでレールに乗ろうとした僕の考えで、だいぶ迷いましたが、
そういうレールに乗るとか乗らないとかを考えるのはやめて、
自分自身で考えて判断した上で(当然のことですが)やっていこうと思います。

ーーーー
こんな理由があったんですね。
けっこう真剣に頑張らなくてはいかんなあ、と思う。
で、これからこのブログのテーストもちょっと変えて行こうかと思う。
感覚で書いている部分が多いから、もうちょっと勉強して書ける文章も
あるだろうということで、もちっと読んで為になるブログを・・。

ということで、日々の徒然は別口で書くことにしました。

あ、セルビアに居る間にTOEICをこちらでも受けてみようかと
考えてみて、梅田のジュンク堂でいろいろ聞いていたら、ザグレブ
受けられるらしい。ゲルググズゴックザグレブ・・。