セルビア In and Out

ふう。


これは、セルビア・モンテネグロに関する個人的経験を踏まえた話で、愚痴なので、特に読む必要ないです。よ。愚痴は、愚かな癖と書きます。


よく日本人の知人やヨーロッパの国の友人と話していると「杜撰だ!」、「ひどかった!」という話をよく聞くが、最近母親を連れてセルビアを出て、クロアチアへ、クロアチアからモンテネグロへ入るというルートで旅をしたのだが、その際に経験したことをちょっと書き綴ってみようかと思う。


いやあ、この国では、交通機関が遅れるのは普通で、予約した席なんか関係ないし、チケットの手配も読みにくい手書きなんだから仕方ないじゃない、と言ってしまえばそれだけなんだが、なんかヒドいなあ、と思ったので・・・。



まず、1つ目。


クロアチアを旅行していると、バスもきれいだし、定刻通り運行するし、客のマナーもよかった。これは日本での基準を顧みても快適だったと思う。ところが、だ。ドブロブニククロアチアダルマチア)からコトル(モンテネグロ)へのバスに乗ろうとした瞬間に、バスがアナウンスも何の告知もなく、30分遅れた。バスが来た瞬間乗客がバスに殺到すた。(普通チケットを予め買ってあるのだから、席も予約してあって、急ぐ必要はなにもないじゃない。自分の席がちゃんとあるのだから。)でも、それには理由があって、バスに乗り込むと、セルビア語を話すおばちゃん(実際セルビア語・モンテネグロ語・クロアチア語は類似性が高いので何人かは不明)が僕らの席に座っとったのだ。おばさんに「どいてください。そこは僕たちの席です。チケットにも書いてあります。」と彼女の言葉で伝えても「いや、予約とか関係ないから!文句があったら車掌に言いなよ」と聞く耳を持たない・・。でもそれで他の席に座ったら、座ったで、そこの席の予約をしている人が来てしまって、移らざるを得なくなった。早いもの勝ちなのかあ。


結局乗客がほぼ座るのを待って、空いている一番後ろの席にちょこんと座った。狭かった。そして、ぼくらの席は前列の方で前方の見晴らしもよくいい席であった。彼女の立場に立って考えると、「予約とかはバスに乗る時には関係ないのが当たり前、だから私は座りたい席に座る。眺めのよい快適なこの席に。」てところだろうか。


以前も列車で移動したときにそういう自分の予約した席におばちゃんが座っていて、このおばちゃんはどいてくれたのだが、捨てゼリフを残して言った。「キ〜〜〜ネズっ!」(「中国人め!」というアジア人に対する蔑称であると僕は認識している。)


まあ、これは習慣の違いで生じる摩擦なのかもしれないね。


2つ目。
モンテネグロの首都ポドゴリッツァからベオグラード方向へ列車に乗る機会があった。駅の発券所でチケットを購入。「予約をお願いします」と現地語で言うと、「必要ない!」と。でもホームには沢山の乗客。席は満席で座ることができずに(幸い母親は席に座ることができた)2時間ほど立つことを余儀なくされた。多分あの「必要ない!」は「(席が十分あるから)必要ない!」ではなくて、「(習慣では)必要ない!」ということだったんだろうか。


閑話休題


席が満席と思ってよくよく観察してみると、4人で6人用コンパートメントを占領して、しかもコンパートメントの室内を暗くして寝転がっている乗客が。一番前のコンパートメントには新聞を貼って室内を見えなくさせたコンパートメントで警官2名と1人のおっさん。ちなみにそのおっさんは車内を練り歩いてはズタ袋に詰めたジュースやビールを売っていた。まあ、未認可っぽい感じだった。聞くところによるとモンテネグロの失業率は20%を越えるとのこと。平均収入は公式では200Euro位(月収)だろうか。ポドゴリッツァの街では、路頭で煙草を売る人々をよく見かける。マルボロはここでは1Euro。(ちなみに、EUモンテネグロの煙草の密輸を提訴している。被告の母体がどこかは知らんけど。)


また、閑話休題


他の乗客に対して配慮のできない乗客(現地人かと思われる。)や、公務でチケットを購入することなく乗車した警官と(一見)未許可で車内販売する男の占領された席によって、チケットを正当に購入して座ることができない状況を慮っていらいらしていたら、警官がやってきて、「パスポート見せて下さい」とのたまった。ああ、と思ってパスポートを取り出したのだが、表紙の「Japan」の文字を見た途端に、「やっぱ必要ないです。どうぞおしまいください。」と。Japanでない、他のアジアの国のどこかのパスポート、もしくは所持していないことを狙っていたんだろうか。む。苛々しながら目的の駅に着くまで立っていた。


3つ目。
あるモンテネグロの山奥の街から、ベオグラード行きのバスに乗ろうとして、荷物を預けようとして荷台の側で待っていたら、他の地元の乗客の荷物は受け取るのに、僕らの荷物はなかなか受け取ってくれない。挙げ句「なんでそこに立っているんだ!?」と。バス亭まで僕たちを送ってくれた現地の人が、「この人達は中国人じゃない、日本人だ。」とフォロー(なのか?)。それでも、連れの子の荷物が少し小さかったためか、預けるのを拒否された。その車掌はちなみに、バスのチケットを購入した際にお釣りの計算(ただの四則計算)を間違えていた。




ふう。


まだあるけど、疲れたからこれくらいで止めよう。この国のことを知っている人は、「あぁ、そういうことあるよね!」と言うかもしれないし、「そんなこと起きるんだ!」という人もいるかもしれない。でも僕が思うに、少なくともこの国に行ったことがない、またはこの国の情報がない人は、この文章からバイアスを持ってしまうかもしれない。


それでも僕は書きたいと思った。仮に僕が日本に居て、自分の行動が結果として外国の人に不愉快な経験をさせて、彼が自分のブログに『事の顛末』を書くことに対して僕は事実の歪曲以外に関しては何も言わないし、言えない。習慣の違い、とは言い訳できるかもしれない。でも僕は、自己の利益を優先し狭小な視野での思考法に共感することは、できない。


この国を出たり入ったりする度に、感じる違和感や隣の国との差異を僕は敏感に感じてしまう。


追記
(1つ目の前の洗礼として)
ベオグラードザグレブクロアチア)の夜行列車に乗ろうとして定刻の15分前に駅に行ったら列車は120分遅れるとの掲示が。結局180分遅れて、目的地に着いたのは本来なら5時のはずが9時でした。