はらだらしき村へ行こう

初めて原田宗典を読んだけれど、すごく良かった。
ああいう文章好きです。

ちょっとよかった詩を抜粋。(原田宗典、『はらだしき村』、集英社、2003年より)

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けれど
その日はやってくる
どうしても
そうなる時が訪れる
分かっていたのに
分からなかった
父さん
もしも永遠に
終わらない映画があったら
僕と一緒に観に行きましょう
ポップコーンを僕に
きっと買って下さいね
照れくさいから
少し離れて座りましょうか
大丈夫
明かりが落ちて暗くなっても
父さん
あなたの大きな咳が
僕の耳には聞こえますとも
たとえどんなに離れていても
僕にはきっと分かります
父さん
咳をして下さい
僕はここです
ここにいます
永遠に
あなたの息子のままでいます
けれど
その日はやってくる
どうしても
そうなる時が訪れる
分かっていたのに
分からなかった
分かりたくなかった
分からない
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