サッカーうんぬん

デュシャンのあじと

知り合いのセルビア人に日本が猛烈に好きな人がいる。天皇誕生日や戦争関連の日には何かとイベントを開催して、日本人を根こそぎ集めて盛り上げようとする、気のいい、歌える陽気なセルビア人である。ちなみに、もともとサッカー選手だったらしくて、イベントの際にはサッカーもする。天皇誕生日とかでは、さながらセルビア天皇杯が開催されているということになる。


さておき、Wカップグループリーグ最終戦ブラジル×日本。ノビナール(記者)も呼ぶから日本を応援に来てくれ!と呼ばれてお邪魔してきた。逆に言うとノビナールが来るから、日本人ある程度集まらないと彼が可哀想だと思って人数合わせの意味も含めて行ってきた。差し入れで日本食ならぬ中国食、酢辛湯を作ったてはみたけれど、運ぶの微妙だし、量もスープを取り分けるのも難しいなあと思ったので、寮の住人達で食べてしまった。連日暑い日が続くので、酸っぱくてトマトの入ったこのスープはとても元気が出る。ちなみにセルビアにもこういう風なスープがあるらしい。


さてさて、グループリーグ最終戦は、同じリーグの試合が同時刻に開催されるのは周知のことではあると思うが、ここセルビアでは、Wカップ放映チャンネルが1つ(リアルタイムで1つ)しかないので、つまりどちらかの試合が後で放映されることになり、
ブラジル×日本もしくはオーストラリア×クロアチアどちらかが表になって裏試合は実況されないということになる。


記者を呼ぶくらいだから、日本戦が表なんだろうなあ、確認してあるんだろうなあ、とは思っていましたが、見切り発車だったらしく、放映はクロアチア戦・・・。(ちょっとやっぱり)


オーストラリアが得点する度に歓喜する(クロアチアとの民族的感情より)セルビア人を見るのは複雑な気分ではあるが、日本戦を見る集いという趣旨だったはずなのに、クロアチア×オーストラリア戦を見ている日本人の集団というのも複雑なものである。


しかしながら、玉田のゴール(巧い)やロナウドのゴール(起きた?)の度に、スクリーンの脇っちょに映像が入るので、日本戦のプロットもなんとなく把握しながら、観戦はできた。そして、あえなく敗退する日本と、日本と引き分けて共倒れという形(日本に勝っていればまた違う試合になったと思う)でグループリーグ敗退が決まったクロアチアという残念な結果に終わって、さめざめと散会したのだが、やっぱりブラジルはブラジルでしたね。ユニフォームにキラリと光る4つの☆がそれを物語る。唯一日本人が盛り上がったのは、玉田がゴールを決めたときだけでした。


なにはともあれ、デシャン、いつもセルビア料理とビールをありがとう。凹んだデシャンは見たくないので、いつも陽気でいてください。スルビアー!!!



日本のサッカーに関しては、中田さんと中村さんがブラジル戦後に涙していたらしいですが、それが象徴的で世界との距離はまだ遠いと思う。(一部記事に同意。)


日本選手は出来る能力内で頑張ったと思います。今まで決定力が無かったんだし、ある瞬間にだけ能力が飛躍的に向上するのは、それは奇跡というものだし、相応という言葉で言い得ると思う。本心を言えば、自分が育った場所の人々の中から選ばれた代表選手らが悔しい思いをして、叶わなかったことは、自分も悔しいしとても悲しいですが、冷静に見れば、まだまだ日本選手の基盤となる媒体のJリーグのレベル、日本のサッカー的土壌が低いのだなという結論にも落ち着く。4年間何してたんかと。更に客観視すると、野球でセカイイチになれたんだから、団体スポーツとしての日本サッカーのさらなる開花があり得ると思うしそれを願う。やっぱり勝った方がすっきりするじゃない。ただサッカーは、野球よりも選手間の不透明な接触部分が多いという意味、誤審が勝敗により影響しうるという意味で、きな臭いスポーツだと思うし、真面目な日本人が得意なスポーツであるとも言いがたいのかもしれない。