季節ごとの風景

北海道、美瑛

結婚式があったのは、Alijeというベオからバスで4時間強の村。マリーナ(ラズベリー)の生産が盛んなこの村では、ほんとに自然が豊で長閑であった。夏にまた、行きたい。


ベオグラードへの帰りのバスは混雑していて、始めは立ち乗りで、程なくして座ることができたのだが、バスの窓から見た窓の外の景色が美しかった。少し山がちな、(山というよりも丘かな)合間を縫ってバスは走り、次々と、葉がこぼれるほどに咲き乱れた景色を見ることができた。なんだか、'咲く'という言葉がぴったりな気がする。桜がぶわっと花を咲かせるように、木には葉々が咲いていた。


葉乱れ咲く窓外の木々を見ながら、バス乗る前に買った落花生ほかりぽり食べながら、日本とは違う風土なんだなあ、と考えていた。日本の場合、四季は緩やかに巡っていく気がする。冬は寒がほどけながら春へ、春は日に日に初夏へ、夏は虫の音とともに秋へ、という感じで、自分のイメージでは、日本の四季はゆっくりとしたピアノの音色が似合うような移り変わりを見せてくれるような気がする。


そして、セルビアに住み始めてもう少しで季節が一巡りしそうなのだが(去年の9月から)、セルビアの季節の移り変わり方は、なんだか面白い。秋の空。とにかく変わりやすい。むっちゃ暖かいやん、もう春かなあ、とか思っていると急激に零下に落ち込んだり、むっちゃ暑いもう春を通り越して夏かなあ、とか思っているとまた温度が急激に下がって、やっぱりまだ春、とか思ったりする。そんな上下を繰り返しながら、春が近づき、夏が近づいてくるのだ。


そして、季節の移ろいと共に、景色も変わっていく。僕はセルビアへ夏の終わりにやってきて、季節は秋から冬へと変わって行ったから、景色が侘しく物悲しいというイメージを郊外の景色に対して持っていたけれど、春、そして夏にかけての郊外の景色は非常に美しい。これがヨーロッパの春で夏なのかなあ、とも思う。ここ、バルカンだけど、陸続きやしそんなに西の方と変わらんと思うし。広義でみたときのヨーロッパということで・・。


通りのカフェイチやレストランはテラスの席の準備を始めて、ぽつぽつと通りの眺めも変わってきた。巨木からわっさーと茂る葉っぱも埃っぽい街の見た目を多少爽やかにしてくれる。気温はもう少しで30度に届きそう。半袖で街を闊歩しています。


写真は北海道ですが、ブダペストからベオグラードへの車窓から見た景色はちょっとこんな感じでした。氾濫したドナウ川も目に入ったり、そんなに優雅なものではなかったのですが、これも美しかった。